2014年04月10日(木)
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コーヒーショップのレジで「お召し上がりですか?」と訊かれることがあるだろう。あれに「いいえ」と答えるたびにびみょうな気持ちになる。
もちろんこれは「こちらでお召し上がりですか?」のわずかな前半部が省略された結果だ(*)。
大事なところが省略された結果、意味をなさない言葉になっている例はほかにもたくさんあるが、ぼくが子供の頃野球好きの友人から聞いた「フィルダーズ・チョイス」もそのひとつだ。守備側が、欲を出して確実にアウトにできる塁に送球しなかったらうまくいかず、結果すべての走者をセーフにしてしまうことをいう。と思う。たぶん。ぼく野球に詳しくないんで。
ともかくこれを「フィルダーズ・チョイス」と呼ぶのはなんかへんだなあ、とずっと思っている。「結果うまくいかなかった」の部分が示されていないので。だいたいなんか「違いの分かるオトコ」みたいな広告のコピーみたいだよ「フィルダーズ・チョイス」。いい豆焙煎しちゃいそうだ。
日本語でも「野手選択」というらしい。言葉を字面通り受け取るならば、うまくいってもうまくいかなくても「野手選択」には違いないだろう。というか、監督の仕事みたいじゃないか「野手選択」って。どの選手使おうかなー、っていう感じ。
しかもさらにこれを略して「野選」とまでいうらしい。なぜきみたちはそんなに省力化を図っているのか。一番の省力化は野球をやらないことではないのか。
「お召し上がりですか?」もそのうち「召上?」ぐらいになるかもしれない。
--- *誤解を招くリスクを負っているにしては、省略されたのが「こちらで」の4文字にすぎないのがまた切ない。むしろ「こちらで?」を残して後半省略の方がまっとうだ。そのむかしNHKの久保純子アナウンサーを「クボジュン」って呼んでいたのに通じる「省力化失敗」を感じる。そこまで言うんだったらあと「子」ぐらい言っても同じだろう。美保純の立場がない。 --- (総裁談) | | |