2006年06月30日(金) 
 
昔話「鶴の恩返し」で不思議でならないのは、なぜ鶴は機を織るときにわざわざ元の姿に戻ったのか、ということだ。自分の羽を材料として利用するにしても、いったん鶴の姿で羽抜いてストックしておいてから人間の姿になって織ればいいじゃないか。そうすりゃ「覗くな」なんて低いレベルのセキュリティを施さずに済む。

ところで、人間工学の最大の敵は「慣れ」だと思う。

たとえばパソコンのキーボード。これほど人間工学的に言って使いづらいデザインのものはない。アルファベットの並び順、いわゆるQWERTY配列は決して「打ちやすい」ようにデザインされたものではない。もっと打ちやすい配列は考案されているが、みんな今の配列に「慣れ」ちゃってるのでそんなものは誰も使わない。

全体の形そのものもそうだ。直線的にキーが並べられている普通のキーボードは手首への負担を考えるとこんな良くないデザインはない。人間工学に基づいた中央部が盛り上がったぐんにゃりとしたデザインのキーボードもときおり見かけるが、多くの人はそれを使おうとしない。人間工学的に誤りであっても「慣れ」ているもののほうが「使いやすい」から。

どう考えても「機を織る」という行為は人間の体に最適化されたアクションのはずで、人間工学的にはそのほうが作業しやすいんだけど、「鶴の恩返し」の鶴は鶴の姿で動くことに「慣れ」ちゃってたんだと思う。

(総裁談)

2006年06月28日(水) 
 
子供の頃は先生や両親に「仲良くしなさい」とよく言われる。みなさんもそう教育されたのではないかと思う。

それに対してぼくは子供心に「とにかく仲良くしろなんていうのはナンセンスだ。ケンカするにはそれなりの理由があるはずだ」と反発をしたものだが、いまなら分かる。それは誤りだ。

つまり、人が揉めている様子というのは興味ない人から見るととてもみっともないのだ。

バンド「ハウンドドッグ」の解散騒ぎや「一澤帆布」のお家騒動をみてつくづくそう思う。

(総裁談)

2006年06月27日(火) 
 
「別冊マーガレット」という少女マンガ雑誌に連載されているコミックスの煽り文句が「元ホストの彼を愛せますか?」というものだった。

なんだ「元」か。「現」がなにかでその問いに対する答えは大きく変わってくると思う。「元ホスト・現基幹系システムエンジニア(孫受けシステム会社)」とかだったら愛せるとか愛せないとかじゃない。「元ホストの彼はいつになったら家に帰れますか?」だと思う。

ぼくはこのマンガを読んだことないがなんともいえないが、「元」にこだわってるあたりが少女マンガの限界だと思う。

(総裁談)

2006年06月24日(土) 
 
そのむかし、長嶋監督がセコムのテレビCMに長らく出演していた。彼が「セコムしてますか?」と言うのを聞くたびに「お前に言われてもなあ」と思った。適材適所という観点から言うと彼のキャラクターとセコムは、遠い。家のセキュリティについて語るに向いていない。「人気があるから」というだけでキャスティングするとこういうことになる、という見本だと思っていた。

で、三井住友銀行の「ペア資産づくりセット」だ。


根強い人気のある「ローマの休日」。しかし「ふたりなら、もっと幸せになれる」の言葉とともに「ペア」を謳うにはあまりに向いていないストーリーだ。ふびんでならない。

あと、どっちみち王女に資産づくりとか必要ないと思う。

(総裁談)

2006年06月23日(金) 
 
いま23日の午前1時。たったいま帰宅したのだが、明日は4時過ぎには起きなければならない。

大阪に出張で始発の新幹線に乗らなければならないのだ。

なにがやだって、まるでワールドカップを見たいから早起きするみたいでやだ。そんなんじゃない。バカにするな。

みんなテレビ見てるだろうからさぞかし電車が空いてるんだろうな、とかサッカーに興味ない者ならではのメリットを見出したいのだが、もともとそんな時間じゃ電車も空いてるだろう、というのもむかつく。

いらだちのあまりこんな文章を書いてしまったぼくを許して欲しい。

(総裁談)

2006年06月20日(火) 
 
「えきねっと」というサイトがある。JR東日本のオンラインのチケット予約サービスだ。

このサイト、非常に分かりづらい。なにがどうなってるんだか、とにかく使いづらい。

先日電車の中吊り広告で「まだ窓口?チケット予約はネットの時代!」といった趣旨でこの「えきねっと」の宣伝がなされていたが、そんな煽り文句がむかつくぐらい使いづらい。

だけど考えてみたら実際の窓口の使い心地も良いものじゃない。なんだか待たされるし係員によっては融通が利かないし。

もしかして「えきねっと」はそんなリアル窓口の使いづらさを忠実に再現したのかもしれない。すごい。こんなところにバーチャルリアリティが。

(総裁談)

2006年06月19日(月) 
 
女性とちょっとお近づきになりたいときに発せられる言葉、「食事でもどう?」。

この「食事でも」の「でも」はなんだろうか、と思う。いや、分かってる。お誘いの言葉をなんとなくマイルドに響かせ、かつ可能性を広げるための「でも」なのだ。「食事どう?」だと食事がNGだった場合そこで可能性が絶たれてしまう。「でも」には「お酒でも良いし、なんならディスニーシーでもいいし、なんなら…」という無限の可能性があるのだ。

でもぼくが言いたいのはこの「食事でも」が「食事デモ」だったらおもしろい、ということだ。

なんだろう。ハンストとかかな。

なお、これと似た言葉に「カノジョとかいるんですか?」の「とか」がある。

(総裁談)

2006年06月16日(金) 
 
「エマニュエル婦人」にはたくさんの続編と亜流があるのを知った。

オリジナルの『エマニュエル夫人』にはじまり、『続・エマニュエル夫人』『さよならエマニュエル夫人』『エマニュエル4』 『エマニュエル5』『エマニュエル6 カリブの熱い夜』『エマニュエル7 ヴァーチャル・エロチカ』が元祖のシリーズのようだ。

最初のエマニュエルが、バンコクでフリーセックスに目覚めたのを皮切りに、『続』では香港においてそのフリーセックスに磨きをかけ、『さよなら』では真実の愛に目覚めたのに『4』では美容整形を受け若返えってしまい、『5』ではついに女優としてデビュー。『6』では記憶喪失となり、『7』では老いたエマニエルがバーチャル・リアリティでセックスするといった内容のようだ。

他にも『エマニュエル婦人~愛のめぐり逢い』『エマニュエル婦人~愛と背徳の肖像』『エマニュエル婦人~異常なる愛の快楽』『エマニュエル婦人~密かなる妄想の日々』『エマニュエル婦人~華麗なる官能の日々』『エマニュエル婦人~秘められた悦楽の日々』『エマニエル ハーレムの熱い夜』『エマニエル カリブの熱い夜』『エマニエル パリの熱い夜』
などがある。

さらに和製エマニュエルとしては『マニラ・エマニエル夫人 魔性の楽園』、イタリアでは『エマニエルと最後の食人族』(新聞記者となったエマニエル夫人が、アマゾンの奥地で絶滅したはずの人喰い人種と戦うらしい)、日本初公開30周年記念作品と銘打った『エマニュエル 小さなふくらみ』やしまいには宇宙へ行くエマニュエル夫人もいるとか。

常に時代の最先端を行っていたエマニュエルさんだが、いまなら『エマニュエル ブログを書く』だと思う。エマニュエル2.0だ。

(総裁談)

2006年06月15日(木) 
 
会社で取引先の人とかと話してると、「ああ今ものすごく演じてるなあ」と思うときがある。会議におけるやりとりはもとより、昼食時のうちとけた会話であっても「うちとけた風」を演じている。

つまりダンジョンとか魔法使いとかじゃなくても、たとえば「中小企業の営業マン」でも「ロールプレイングゲーム」だということだ。業務のメールのやりとりなんか言わば「オンラインRPG」だ。

このRPGの欠点は問題を解決する魔法もなければ、どうやってもラスボスに絶対勝てない、ということだ。ただ、不思議なことにこのゲームはお金を払ってするのではなく、プレイするとお金がもらえる。

なんだ、なんか暗い話書いちゃったぞ。

(総裁談)

2006年06月14日(水) 
 
今日会社行って分かったんだけど、サムライブルーって、あれか、マリッジブルーとかそういう感じのものだったのか。

(総裁談)

2006年06月10日(土) 
 
「ディレクターズ・カット」という言葉がある。映画などで、特別に編集されたバージョンのことを指す。最初の公開時にはさまざまな事情で上映されなかった場面を盛り込んでいることが多い。

問題はその最初の公開時の「ディレクターズ・カット」じゃないバージョンに関してはディレクターはカットしていないのか、ということだ。じゃあディレクターはそのとき何をしていたのだ。

「誰ズ・カット」なのか。「世論」か。

(総裁談)

2006年06月08日(木) 
 
【今日の偏見】
大きな会議室などにある、複数の板状のものを並べて部屋を仕切る、あの可動式間仕切り。
あれをてきぱきと率先してうまいこと収納してしまう人は、ふだんはぱっとしない感じの人だ。

(総裁談)

2006年06月05日(月) 
 
友人が「最近物覚えが悪くて」という話をしていたので「おとといの晩ご飯を覚えてますか?って感じ?」と問いかけたところ、「あ、それ聞いたことある。なんだっけ?」と返された。

メタレベルの「脳トレ」だと思った。

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昨日の閑古鳥ぐあいから非常にお客さんの入りが危ぶまれた「大団地展」ですが、今日はたくさんの方々にお越しいただきました。ありがとうございました。楽しんでいただけたでしょうか。

春日井市長が来るかも、という噂でしたがおいでにならなかったようで、安心しました。明日の市政のためのも、それでよかったのだと思います。

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(総裁談)

2006年06月04日(日) 
 
「私が社長です」といえばアパホテルの名物社長、元谷芙美子氏をすぐさま連想する。ほぼ彼女の商標と言ってもいいぐらいだ。

でも「私が社長です」という言葉自体はきわめて普通の言葉で、中学一年生の英語の授業で出てきてもおかしくないぐらいベーシックな言葉だ。社長だったら誰にでも言う権利があるはずの言葉だが、もはや誰も言えない。それもこれも元谷芙美子氏のせいだ。すごいことだと思う。

なぜ彼女にそれほどの商標形成能力があるのか、それについてはあまり触れるべきではないような気がする。

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昨日は「大団地展」会場にいました。ほとんどお客さんが来ませんでした。だいじょうぶです。落ち込んでなんかいません。明日はトークショーです。大丈夫です。なんの動揺もしていません。

みんな来てね。

(総裁談)

2006年06月03日(土) 
 
明日日曜日はいよいよ「大団地展」でのトークショーですが、本日も会場にいます。お昼過ぎにはギャラリーにいますよ。お暇な方はぜひおいでください。デイリーポータルZで会場からライブ更新もしちゃいます。あまりにふざけた写真展で「金返せ!」とおっしゃる写真好きのおじさまなどの様子を随時UPしていく予定です。

(総裁談)

2006年06月02日(金) 
 
先日「いいかげん大人になれ」と言われた。ときどきそういうことを言われる。

しかし一方で、脳のトレーニングとかいうゲームには「老人だ」と言われた。子供じみた行動と脳の衰えは同じ現象の表裏なのか。

しかし、両者の間をとったら歳相応なのは確かだ。よし。

脳は一向に鍛えられそうにないので、今後も子供じみた行動をすることでバランスをとっていきたいと思う。

(総裁談)

2006年06月01日(木) 
 
エッチなDVDとか暴力的な表現がある映画などにはレイティングがある。「18再未満は見ちゃダメ」っていうあれだ。映画倫理管理委員会が定めたレイティングは「12歳以下ダメ」「15歳以下ダメ」「18歳以下ダメ」の3段階らしい。

これ、ティーンで細かく分けすぎてるような気がする。かつての自分のことを思い返すと、15歳と18歳はそんなに違わない。15歳でダメだったら18歳でもダメだと思う。もしかしたら12歳から18歳もそんなに成長していないかもしれない。

18歳以上は同じ、っていうのもどうなんだ。「30歳未満ダメ」ぐらいのレイティングをすべきことって世の中にたくさんある。

「取引先にタクシーチケットもらって新宿から船橋までタクシーで帰る」とかは「40歳未満ダメ」ぐらいにした方がいいと思う。あれはなんか、20代・30代ぐらいでやると人間がダメになる気がする。

(総裁談)

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