2013年07月29日(月)
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中学生のとき、理科の授業で、デンプンがアミラーゼによって糖に分解される、という実験をしただろう。その実例として先生に
「ごはんをずっと噛んでいると、甘くなるでしょ?」
と言われたと思う。
これが納得いかなかった。いくら噛んでも引き続きご飯の味だ。期待するような甘さにはならない。そんなはずはない、とがんばっていると口じゅう大量の唾液と完全に正体のなくなった米とであふれて、甘いというか気持ち悪いことになった。食べ物で遊んではいけません、ってこういうことも指すのではないだろうかと思った。
実際にはちゃんと糖にはなってるんだろうけど、ぼくら現代っ子は甘みにスレてしまっているのでもはやそんな程度の甘みでは満足できない身体になっているのだろうな、と思った。というか、この実例いらなくないか?と思った。だって結局ベネジクト液に反応させて糖になったことを視覚的に示すのだから。
そういうものだ、と言われれば、そうなんだ、ですんだはずなのに、実感の伴わない実例を示されたせいでむしろ納得いかなくなった。逆効果だ。
あれから二十数年、ふたたびやってみたが、やっぱり甘いというものではない。どこまでもご飯の味だ。おかずがほしい。
あと、子供心に「ベネジクト」はねえよなあ、と思っていた。「ベネディクト」でしょ、って。
(総裁談) | | |