総裁ひとり旅(上海出張編)-8


思い思いに改造されたベランダ周りの造形が魅力的。

 

「生活のにおいを感じる」とか当たり障りのないことを言っておきたいと思う。

低層の団地は、本来、我々「住宅都市整理公団」の蒐集対象ではないのだが、先に書いた住民によるファサードカスタマイズの特徴が如実に現れる物件として紹介しておきたいと思う。

今まで紹介してきた高層の団地を見て気づいた方もおられるかと思うが、日本のようなベランダがあまり見られない。これはベランダの腰壁から上の部分にサッシのついた窓が入っていることが多く、見た目としてサンルーム、あるいは出窓のようになっているためだ。

左の低層の場合もともとは日本と同様のベランダ構造なのだが、いくつかは住民の手によってサンルーム化されている。上海の冬の冷え込みへの対策だそうだ。

また、下のもののように壁から垂直方向に物干し竿を大胆に伸ばしているのが上海の低層団地スタイルだ。


日本式団地を発見。都営アパートが懐かしくなった瞬間。
そろそろ帰国どきかもしれない。

 

海外旅行で日本人の女の子と仲良くなっちゃうこととかあるらしいが

今回の上海団地紀行でもっとも驚いたのがこの物件。完全に日本式の団地だ。思わず撮影してしまった。せっかく海外に来ているのについつい日本料理店「ミカド」とかに入ってしまう気持ちとは、こういうものだろうか。

しかし、この団地、全体としては一見日本式だが、よく見るとやはりワビサビが感じられない。海賊版の香り漂う感じだ。海外の日本料理はやっぱり不味いという結論としておきたい。


絵として描く前にちゃんと街路樹とか植えた方がいいと思う。

で、その女の子が実際以上にかわいく見えちゃったりする

比較的新しい物件でしかも低層だが、そのサイドに描かれた絵に注目してもらいたいと思い、紹介する。日本でも多くの低層の団地が、サイド面 にちょうちょとかチューリップとかイルカとか無駄にファンシーな絵を描かれてしまっているが、ここ中国で、その無駄 ファンシーを含め、同様の物件にお目にかかるとは思わなかった。

日本では、いかがなものか、と思うこの手の装飾も異国の地で出会うとなんだかほっとさせられるから不思議だ。異国の地では恋に落ちやすいので気をつけた方がいい。

 
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