2005/05/30  

ちゃんとした物理の実験では、あるものを測定する場合には何度も繰り返し測定してその値を平均する。

どんなにうまく測ったつもりでも、測定値はどうしてもばらついてしまうのだ。たとえばそれがノギスで棒の長さを測る、みたいな単純なことでさえそうなのだ。つまり、人間はものの長ささえ「正確」には測れない。「正しい値」は平均の中にしかない。この言い方はあまり正しくないけど、つまりそういうことだ。ちなみに測定値のばらつきは、正規分布になる。

高校生の時このことを知って、ちょっとショックだった。おそらくいわゆる理系の人ならある時点でそのことを習って、同じような感慨を持ったのではないだろうか。

ところで先日同期の営業マンが「取引先の部長が会議のたびに違うことを言ってきて困る」とこぼしていた。

この同期は文系出身だ。測定値はばらついてしまうことを知らなかったのだと思う。その部長の言うことを平均したら、それが答えだ。

でも正規分布はしてなさそう。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/27  

気乗りしない会議を断ったりさぼったりするときの言い訳に「どうしても断れない重要な会議がはいってしまいまして」とか「14時と4時を間違ってました」などがある。

どうも姑息でみえみえだと悩んでいたところに、今までにないダイナミックな言い訳が登場。

「おまえが靖国神社の参拝やめないから」

言い訳界に新風である。今後はこれで行こうと思う。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/25  

ここ数日咳が止まらない。

特に夜横になると苦しいので咳止めの薬を買いに行った。錠剤、ソフトカプセル、顆粒、シロップなどさまざまな形態の咳止めがあったが、一番効き目が速いというシロップを購入した。

これが、甘い。まさにシロップ。なんでこんなに甘いんだろう。というか、甘くする必要がどこにあるのか。不可解な甘さだ。

ところでこの咳止めシロップ、用法を見ると1日3〜4回までとある。考えてみれば薬だから飲み過ぎてはいけないのはあたりまえなのだが、錠剤やカプセルや顆粒のものにくらべ、シロップってなんとなく薬っぽくないので、ちょっと咳が出たらどんどん飲んじゃいそうだった。シロップというインターフェイスデザインは薬に向いていないんじゃないだろうか。

しかし、実際飲んでみるとこの非日常的な甘さ。「ああ、あんまり飲むもんじゃないな」と思わせられる。味覚を通して実感する咳止めシロップの薬性。

インターネットで香りを伝達するサービスが実用化されるらしいが、同様に味が伝えられるようになり、警告を味覚で表現するとしたら「辛い」より「なんだかすごく甘い」の方がよいのではないかと思った。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/24  

知り合いが健康診断でコレステロール値が非常に高いという結果が出て、保健士から警告を受けていた。

ところで「朝三暮四」という言葉がある。昔、中国のある人が、飼っていた猿に与える餌を節約するために「朝三つ暮れに四つにしよう」と言ったら、猿たちが怒ったので「朝四つ暮れ三つにしよう」と言い直したら、今度は猿は喜んだ、という話。

「朝三つ暮れに四つ」と「朝四つ暮れ三つ」はトータル同じなので、この故事成語は「目先のことにこだわって本質的なことに気が付かない」という意味だが、ほんとに「朝三暮四」と「朝四暮三」はトータルで同じなのか。

くだんの知り合いは、対策として夕食は少なめにして朝しっかり食べることにしたらしい。

猿の方が人間よりはるかに賢く、健康法を先取りしていたのではないかと思う。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/19  

電車の中でうまくいかない恋について相談にのっている高校生がいた。あの手この手で思いを伝えているのだが、いっこうに色よい返事が返ってこないのを悩んでいるようだ。
「押してダメなら引いてみな、っていうじゃない。ここはいちど間をおいてみたらいいんじゃないか」

そういう恋とはすっかり縁遠くなってしまったが、仕事で「押してダメ」なときはある。そういうときはひいてはだめだ。部長経由で上から圧力をかけてもらう、などの手がよい。一席設ける、というよく知られた手だってある。

ところで「押してダメなら」と言えばぼくが頭にくるのが駅券売機のタッチパネルだ。体感的には一度でうまく反応したことがない、というぐらい反応してくれない。なんなんだよ、あれ。

対処法がよく分からないのも腹が立つ。押してみて反応がなかったら、そんなことしたって無駄だと分かっているけれどぐいぐいと強く押してみたくなるのが人情というものだ。

どうすればいいのか。引けばいいのか、部長経由で券売機に圧力をかければいいのか。

今後ストレスなくスムーズにタッチパネルが反応してくれるんだったら、自腹で一席設けるのもやぶさかではない。だれを飲ませればいいんだ。券売機メーカーの担当者か。JRのほうか。それともあれか、券売機の画面に出てくるあのおねーちゃんか。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/18  

すごくひさしぶりに団地を更新しました。
そろそろレイアウトを考え直さねばならない量になっています。
あれか、ブログ化か。そうなのか。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/18  

中国の反日デモの映像でよく「小日本」っていう文字を見かける。

「小」って蔑称なんだろうな、と思うが、あんまり悔しくない。小京都みたいで良い感じだ。金沢あたりか。

映画「バック・トゥーザ・ヒューチャー」で主人公のマーティーが「チキン」って言われると理性をなくすほど怒る、っていうのもピンとこなかったが、あれに似ている。いいじゃん、鳥。おいしいよね。ヘルシーだし。

また、こどものころ「おまえのかーちゃんデベソ」っていうのもピンとこなかった。ぜんぜん悔しくない。しかし、考えてみれば、これはすごく大人の応酬なのだと思う。決定的なダメージは与えずに「侮辱しようとしてますよ」というメッセージだけを伝える。大人だ。

政治のことはよく分からないが、日本はとりあえず中国に向かって「おまえのかーちゃんデベソ」と言えばいいんだと思う。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/16  

昨日5/15日付の「デイリーポータルZ」の特集に「お墓の『名刺受け』を鑑賞する」という記事を書きました。

ぼくが激しく嫉妬したサイト「山田屋意匠堂」の山田浩市さんの案内で谷中霊園を巡ってきました。

たのしいよ、お墓。お墓写真撮りたい。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/12  

電車の中で見かけたスポーツ紙の紙面に「ソフトバンクの孫社長は2005年度の目標としてインフラ、ポータル(玄関)、コンテンツの3つで、ナンバーワンを目指す、と語った」という記事があった。

いまだに一般紙では「OS(基本ソフト)」「ブラウザ(ホームページ閲覧ソフト)」「コンテンツ(情報の内容)」とか分かりやすいんだかなんだか分からない用語解説付きの記事を見かけるが、「ポータル(玄関)」というものは初めて見た。それは解説として正しいのか。

しかしそこは大胆さで知られた孫社長のこと。もしかしたら本当に玄関でナンバーワンを目指すのかもしれないとも思う。靴箱の上に置かれた鮭くわえた木彫りの熊のシェアナンバーワン、とか。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/10  

「カレーライス」なのか「ライスカレー」なのかという古くて新しい問題がある。

日本語ではふつう「名詞A+名詞B」ときたら「名詞Aな名詞B」という意味なのではないかと思う。つまり「腕時計」って言ったら、「腕にはめる時計」のことであり「時計腕」と言ったら時計がはまっている腕、あるいは時計のような腕、のことだ。そんな腕ないけど。

その伝で行くと「カレーライス」はライスが主人公であり、チキンライス、半ライス、世にいろいろライスはあれどそのなかでも「カレーのかかったライス」のことを言いたいのだ、という意味なのではないか。そして逆に「ライスカレー」においてはカレーが主人公であろう。

以上は順当な解釈だと思うが、問題は「首都大学東京」だ。これは東京なのか大学なのか。自分の出身の大学がある日こんな名前になってしまった方々の心中いかばかりか。

ぼくの出身校だったら「首都じゃない大学千葉」になっていたところだ。そう思うとやはり「首都大学東京」の異常さがあらためて見えてくる。「東京」ってだけでなんかごまかされてやしないか。

千葉を通じて見えてくる「東京」の奢り。千葉にある「東京ディズニーランド」はどうなんだとか、そういう話は置いておいて。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/07  

「おばさんと若い人の違い」にはいろいろなものがあると思うが、そのひとつに「携帯電話の操作音を鳴らすかそうでないか」というのがあると思う。

(総裁談)
 
 
 

2005/05/05  

会社に入って最初の研修で「プレゼンテーションのうまいやり方」というような講義があった。

その内容で印象に残っているのは「とりあえず『ポイントは3つありますって言え』』っていうものだ。

相手に「○○に関してはどう思うか?」と問われたらとりあえず「ポイントは3つあります」と最初に言うのがよいのだそうだ。意見は1つだけではだめで、だからといってだらだらといろいろしゃべるのもだめなのだそうだ。まず最初に「3つ」と宣言することで相手にも自分にとっても論旨が明確になるのだとか。

「2つしか思いつかなくても3つって言って、3つ目は2つ目をしゃべりながら考えろ」とか無茶なことを言われたのを覚えている。そんなことできるものなのか。

ところで「BOSS」という缶コーヒーの広告を見た。以下のようなうたい文句だった。

コーヒーのおいしい飲み方。
1.深煎り
2.荒挽き
3.雑味なし

1、2はまあいいとしても3の「雑味なし」は「おいしい飲み方」じゃないだろう。それはおいしい条件とかじゃないのか。

たぶん広告を企画した人が「コーヒーのおいしい飲み方に関してはどう思うか?」と問われてとりあえず「ポイントは3つあります」って言っちゃったんだと思う。

(総裁談)
 
 
 

2005年4月のカモだより