2004/08/31  

8月も終わりということで、自由研究をしてみようと思う。

「自由研究」には2つの意味があることに注目していただきたい。

「自由に研究する」と「自由について研究する」だ。今回は後者の自由研究の立場をとる。

そして「自由」といえば尾崎豊だ。

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「刑法から見た尾崎豊の『自由』」

♪盗んだバイク(15の夜)
235条【 窃盗 】
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役に処する。

♪暴力だけが俺を育てた(銃声の証明)
204条【 傷害 】
人の身体を傷害した者は、十年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

♪十六の時初めて銃を手にした(銃声の証明)
銃刀法31条
第3条の13の規定に違反した者は、無期又は3年以上の有期懲役に処する。

♪街のドラッグにいかれて(Driving All Night)
139条【 あへん煙吸食及び場所提供 】
あへん煙を吸食した者は、三年以下の懲役に処する。

♪燃やし続けようぜFire(FIRE)
108条【 現住建造物等放火 】
建造物、汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する。

♪サイコロは振られたぜ命まるごと賭けろよ(原色の孤独)
185条【 賭博 】
賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。
222条【 脅迫 】
人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

♪夜の校舎窓ガラス壊してまわった(卒業)
261条【 器物損壊】
他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。


〈研究総括〉
傾向として罰金50万円以下の犯罪から死刑になるかもしれない放火までまんべんなく悪事を歌にして いるバランス感覚が伺える。

以上有意義な夏休み研究ができたことと下記有言実行の尾崎に乾杯。↓

【尾崎豊】(1988.1.8)覚醒剤取締法違反で逮捕(1999.1)懲役1年6ヶ月、執行猶予3年

(長野談)



2004/08/30  

最近、世間的にも仕事上でも「2010年の日本」に関する言及を目にする。

2010年の日本の経済事情とか、2010年の失業率とか2010年の出生率とか、2010年のネット人口とか。

つまり「手近な未来」が2010年ということなのだろう。

分野それぞれで2010年にはいろいろ変化があるが、問題も多いようだ。失業率はもっと上がるだろう、とか出生率は横ばいとか、低成長率が定着するとか。

しかし、いちばんの問題は2010年になると、2000年以来さまざまなイベントで使われている西暦の年号をかたどった浮かれたメガネがかけられなくなるということだと思う(*1)

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*1
百の位と十の位が両目のレンズ部分になってるあれ。わかりづらい内容ですまん。

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(総裁談)



2004/08/29  

ブルガリという名門ブランドがある。アルファベットで表記すると「BVLGARI」である。

何の予備知識もなく「BVLGARI」を「ブルガリ」と読むのは従来の日本人にとっては少々ハードルが高いように思うが、今は渡辺さんが「wtnv」と表記する時代である。そういう意味では現代日本人も名門ブランドの感性に近づいてきているということだろう。

また、公団が「codan」と、伝統的なローマ字では「k」であらわすべきところをを「c」で表記してみたりするのと同様、「b」を「v」であらわすのも流行って久しい。

「wtnv」もそのひとつだが、その点「BVLGARI」は流行を取り入れた「V」を使いつつも同時に伝統的な「B」をも併用している。

このあたりにファッション先進性を積極的に取り入れつつも伝統を大事にする名門ブランドの心意気を感じる。

(総裁談)



2004/08/27  

仕事で小難しい内容の企画書を、よく理解できぬまま作ってしまうことがある。

しかもそれが「なかなかいいね」なんつって評価されてしまったり。

よく小学生がよく知りもしないのに「納税は大切だよ!」とかいうポスターを作らされて、しかもそれが入賞して駅に貼られちゃったりするのと同じだと思う。

(総裁談)



2004/08/26  

飲み屋で飲んでいる途中にトイレに行くと、急にBGMがよく聞こえる。

あー、店内にはこんなBGMが流れてたんだー、と思って、ついでにちょっと冷静になったりして。「なんかちょっと語っちゃったなー」とか反省したりする効果があのトイレのBGMにはあると思う。

だけどトイレを出て席に戻った瞬間、そんな反省もBGMも忘れてしまう。なんどでも同じ過ちを繰り返す。

つまり、飲み屋のトイレのBGMと恋は似ている。


酔っているので今日はこんなところで勘弁してください。

(総裁談)



2004/08/23  

とある掲示板のシステムの話を聞いた。

いわゆる掲示板での「問題ある発言」を自動的にカットする仕組みなのだそうだ。管理人が監視して削除などしなくても、システムが自動的にやってくれるという。

こういう仕組みをぜひテレビに応用して欲しい。オリンピック中継用テレビだ。解説者の「やったー!」とか「がんばれ!」とかいう発言をカットして欲しい。うるさいよ。お前が興奮してどうする。ちゃんと解説しろ。

あと選手がインタビューで質問受けると必ず第一声が「そうですねー」だが、あれもついでにカットして欲しい。

あと、卓球の愛ちゃんが試合中出すヘンな声もカットした方が良いと思う。

(総裁談)



2004/08/21  

「あばれはっちゃく」というテレビドラマをご存知だろうか。

おそらくぼくと同じ30歳前後の方々には懐かしく思い出されるであろうこのドラマ。ガキ大将的主人公の「はっちゃく」が地域の子供社会に密着した数々の難問を知恵と勇気と、時には腕力で解決してゆく様を情緒豊かに描いた一話完結型の子供向けドラマである。

主人公の「はっちゃく」は、難問に直面すると独特のやり方でその解決策を思いつく。

この「あばれはっちゃく」は人気シリーズであり、主人公を演じる少年俳優も変えて何代にわたり数作のシリーズ作品が作られた。はっちゃくファンのあいだでは「初代あばれはっちゃくは迫力があった」とか「3代目あばれはっちゃくには他の代には無いエスプリが感じられた」というように、そのシーズンごとの評価が語られていると予想される。

注目すべきは何代目かの違いによって、ハイライトシーンである解決策を思いつくやり方がちがうということだ。ある代のはっちゃくは逆立ちをすると「はっちゃけた!」と言って解決策がひらめき、また別の代のはっちゃくはブリッジをすると「はっちゃけた!」と言ってひらめく、といった具合だ。

アニメ一休さんが頭に人差し指でつばをぬった後しばし座禅を組むと「チーン!」という音とともにうまい具合にトンチを思いつく、あのようなものだと思っていただければよい。

ぼくもこのあばれはっちゃくシリーズは好んで見ていたものだが、残念なことにもう何年も新作は作られていない。おそらく、解決策を「はっちゃけた!」と言って思いつくやり方が出揃ってしまったからだと思われる。

名作「あばれはっちゃく」を現代によみがえらせるとしたら、あらたな解決策を思いつくやり方を考案しなくてはならない。しかもブリッジとかではなく、もっと現在の時代性を感じさせるやり方で。

たぶんいまだったらgoogleで検索して「はっちゃけた!」と解決するんだと思う。

(総裁談)



2004/08/20  

関東圏で有名なインスタント焼きそばに「ペヤング」というブランドがある。

かつてはテレビCMに志の輔を起用して話題になったこのペヤング、最近でも「超大盛り」を発売するなど、どうしてなかなかまだまだ現役っぷりを見せつける老舗のインスタント食品である。

ところで、この「ペヤング」というネーミング。以前のカモだよりでもご紹介したが、発売当時流行っていた「ペア」と「ヤング」という言葉を組み合わせた造語なのだとか。組み合わせることの意味は分からないのだが、一度聞いたら忘れられない響き先行のネーミングは秀逸と言っていいと思う。

最近はこういう野趣溢れるネーミングになかなかお目にかかれない。「ペア」も「ヤング」もすでに死語である現在、今の流行言葉でネーミングするとしたら何になるだろうか。

あいにく「ペア」と「ヤング」で「ペヤング」を越えるネーミングをすぐには思いつけないが、昨今の状況を考えてもとりあえず「ペ」は引き続き採用かと思われる。

(総裁談)



2004/08/17  

オリンピック、野球の日本代表チームが「長嶋ジャパン」と呼ばれているのに驚いた。

だって、いないじゃん、長嶋。

中畑ヘッドコーチの心中いかばかりか。

会社に「課長代理」という肩書きの人がいて、「なんだよ課長代理って」と苦笑いしたものだが、いまはちょっと同情する(*1)


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*1
いっそのこと「代理ジャパン」でもいいかも。

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(総裁談)



2004/08/17  

団地更新しました→





2004/08/16  

ハンガーのことをつい「衣紋掛け」といって笑われることがある。

幼い頃からずっと両親がそう読んでいたため、あれを見ると「ハンガー」という言葉より先に「衣紋掛け」という言葉がでてくる。

まだ若い頃には、笑われるのがいやで慎重に衣紋掛けと言わずにハンガーと言うように心がけていたが、いまは堂々と衣紋掛けと言っていきたいと思っている。

だいたい、ハンガーって、掛けるモノがなんだってハンガーだ。服だけじゃなくて包丁でもCDでも吊って収納すれば「ハンガー」だ。

その点、「衣紋掛け」は「衣紋」とハングする対象を限定している点でより正確な名前だ。言葉としてハンガーより優れているとさえ思う。

たとえば「よだれかけ」が外来語によって置き換えられないまま定着しているのに引き替え、衣紋掛けがことさらに笑われるのは不公平だと思う。衣紋はよだれ以下か、と言いたい。

というか、「よだれかけ」ってよだれがそこにかかるから「よだれかけ」なのか、よだれで服が汚れるのを防ぐために首からかけるから「よだれかけ」なのか。


(総裁談)



2004/08/15  

会社にはいちおう「夏休み」というものがあって、7月から9月いっぱいの間までに、それぞれの都合に合わせてとることになっている。

しかしそこは多忙を極める現代のサラリーマン達。なかなか「都合」がつかずに、気がつけば秋風吹く頃、あーことしも夏なんてなかったなー、なんてことがよくある。

知人の会社ではそんな状態が常態化してしまったため、夏休みは6月から10月いっぱいまでに、と夏休み期間延長となったそうだ。

10月って夏か。事情は酌むがそんなのありか。もはや「夏」にこだわる必要はないのではないだろうか。いいじゃん、「休み」ならなんでも。

夏を満喫できない者ほど「夏」の響きにこだわる。夏とは一体何なのか。それは気圧や日照時間や温度・湿度ではなく、心の状態である、などとうそぶいてみたくなる。

夏を手に入れられない者達の欺瞞と悲哀に満ちた夏。サザンオールスターズやTUBEには描ききれない夏が、ここにある。

(総裁談)



2004/08/10  

アメリカの高校では、銃や麻薬を学校に持ってきていないか調べるという抜き打ち検査があるそうだ。

麻薬の検査ではいわゆる麻薬犬がきて検査するという本格派。吸っていたのが1週間前でもばれるという。

やべーよ、おととい吸っちゃったよどうしよう、とかいって焦ったりするのだろうか。さすがである。

我が国日本といえば、スカートの丈のチェックとか、ズボンをボンタンにしていないかの抜き打ち検査だ。レベルが違う。

という話を、20代前半の知り合いとしていたところ「ボンタンってなんですか」という無邪気な質問が。

正直、米国と我が国との彼我の差よりも、このジェネレーションギャップのほうが衝撃的だった。10年で「ボンタン」が通じなくなる。と同時に、10前も今もいつの時代も変わらない米国の麻薬問題に彼の国の底力を感じた。

ていうか、「ボンタン」て。

(総裁談)



2004/08/09  

蝉が鳴くのは求愛行動だ。

おそらく、雌にとっては「声が大きい」というのはこの上ない魅力なのだろうが、それってどうなのか。冷静に考えてみたらバカみたいじゃないだろうか。声がでかい=かっこいい、なんて。

なかには、どいつもこいつもミンミン鳴きやがって。本当のかっこよさはそういう事じゃないよ。中身だよ中身。とかいってひねくれて鳴かない雄蝉もいるのではないか。

まるでぼくが中高生だった頃のように。

しかし、そんなひねくれ者の蝉とかつての自分に教えてあげたいのは、かっこでもなんでもつけなければ、肝心の中身だって気付いてもらえやしない、ということだ。

しかも結局のところ、中身らしい中身だってたいしてありゃしない。

すでに30を過ぎていまさらかっこもつけづらい自分だが、がんばればどうにかなるかもしれない。しかし蝉は一週間で死んでしまう。

自分は蝉でなくて本当によかったと思う。

(総裁談)



2004/08/08  

R25という雑誌がある。リクルートが発行しているいまどきのフリーペーパーである。

最近話題のこの雑誌、25歳以上の男性をターゲットとしているという。

僕自身がこまったのは、この雑誌の名前「R25」の読み方である。「アールにじゅうご」でいいのかどうなのか。ほかのトンチの聞いた読み方がもしかしてあるかもしれない。純朴にうっかり「アールにじゅうご」とか言ったらバカにされるかもしれない。

というのも「R25」が「175R」を連想させるからだ。普通に「ひゃくななじゅうごアール」だと思っていたら大間違いだった。これが70年代生まれ団塊ジュニアの限界か。あんなはずかしい思いをするのはもうごめんだ。

と思ったらふつうに「アールにじゅうご」だった。

ターゲットは25歳以上。つまり、複雑なトンチの効いた読み方を受け付けない年齢向けとは、こういうことなのだと思う。

(総裁談)

2004/08/07  

お知らせするのが遅くなっちゃいましたが「デイリーポータルZ」の8/4の「コネタ」に『改札口の生け花を観賞する』という記事を書きました。

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ICカードで買い物ができたり、携帯電話にICチップが搭載されたりしている。

いわゆる「電子マネー」の時代ががいよいよ到来、ということで関係各社が新たなビジネスチャンスをものにしようと躍起になっているとか。

将来的には現金というものがなくなって、お金というものはすべてICカードやオンライン上にデータとして存在するようになる、という人もいる。

さまざまな分野で社会に大きなインパクトを与えるであろう、この電子マネーの本格化。ここで最も影響を受けるのはだれか。銀行か、ICチップメーカーか。

それはカツアゲする中高生だと思う。

カツアゲプロセスにおけるの定番、「もうお金は持ってないです」「うそつけ。じゃあポケットから手を出して跳ねてみろ」「チャリンチャリン」

これが通用しなくなるのだ。なんせ、実体としてのお金がないから。もうチャリンチャリンなんてならないから。

カツアゲ側もいよいよ追い込まれてきた。これからはカツアゲといえども頭脳戦である。跳ねさせる以外の方法で的確に残金を突き止められるかどうか。イノベーションが求められるときである。今後のカツアゲ界の動向に注目したい。

(総裁談)





2004/08/04  

トリンプの『夢みるブラ』の宣伝ポスターを街で見かけた。

手前には下着姿の外国人女性が、ほほえんで立ち、その後ろには松田聖子さんの娘、SAYAKAさんがギターを片手にほほえんでいる。

よく考えたらSAYAKAさんはいったい何をしているのだろう。

というのは、彼女はなんかふわふわした衣装を着ているのだ。下着姿じゃない。下着の効果が外からうかがえる衣装というわけでもない。

下着の宣伝だったら、下着を見せないことには始まらない。そしてすでにそれは外国人女性が役割としてこなしている。服を着てるんならSAYAKAさんは特に必要ないんじゃないか。手持ちぶさたにギターなんか弾いてる場合じゃない。

しかし、とりたてて彼女に「おまえも脱げよ」という気はおきない。特にそんなものは見たくない。脱いだら脱いだで違和感がある。それがすごいと思う。

これがMEGUMIさんとかだったらこうはいかない。手前に下着姿の女性、後ろにギターを持った服を着たままのMEGUMIさん。おまえが脱げよ、と言われること必至だ。

おなじローマ字表記で名を名乗るふたりだが、下着を通して違いが見えてきた。どちらが幸せか、それは分からない。

(総裁談)



2004/08/03  

大阪の道路は、南北の道は「筋」、東西の道は「通」が名前の最後につく。御堂筋や四つ橋筋、谷町筋、千日前通とか。ニューヨークの「アベニュー」と「ストリート」みたいなものか。

もともと大阪の市の中心部はきれいに碁盤の目のように区画整理されているので、こういった分かりやすい命名ができるのだ。

いっぽう、東京といえば関東大震災で被災した下町以外は道がぐちゃぐちゃだ。なので「筋」とか「通」など道の方向によって区別する名前など付けようもない。分かりづらい街だと思う。

とはいえ東京に「筋」がないわけではない。「業界観測筋」とか「消息筋」や「専門家筋」などがある。

「通」の方も「事情通」とか「芸能界通」などがあるが、いずれにせよ分かりづらい、というかうさんくさい。東京の道路らしいと思う。

東京における街と「筋」「通」のうさんくさい関係。ここらへんのことは「アド街ック天国」が体現していると思う。

(総裁談)





2004年7月のカモだより