2003/10/31  

よくテレビで、アイドルが「好きな男性のタイプは?」と聞かれて「好きになった人がタイプです」とか答えるのを耳にする。なんだそれは。答えになってないだろう。

ところで今日、仕事で作業締め切り間際になって作業内容の変更があった。変更を決定した人に「急な変更でもうしわけないです。で、いつまでにできますか?」ときかれた。

今思えば「できた日が締め切り日です」と答えればよかった。

(総裁談)




2003/10/30  

以前にも書いたが、ぼくはまったくもってプロ野球に興味がない。

それでも「優勝したらとりあえず手近の川に飛び込む」という文化は面白いと思う。先日のダイエーの優勝の際には、博多の那珂川はもちろんのこと、お門違いの道頓堀にもダイエーファンが飛び込んだという。もはやこれは何かの儀式なのではないかと思う。

道頓堀に飛び込むと逮捕されたりするらしいので、来年あたりから、プロ野球ファンの皆さんは川に飛び込むのではなく、他の儀式を積極的に取り入れていけばいいと思う。

道頓堀に飛び込むのはかなり危険で勇気がいると聞く。恐らくポイントは度胸試しとして成立するような儀式内容であることなのだと思う。おそらく安全にできるようなことではダメなのだ。

たとえば世界には、成人したら高いところから飛び降りたりしなければならない部族とかがいるときく。いわゆるイニシエーションというやつだ。ほかにもわざわざ歯を抜いたり、唇や鼻に孔あけて物を入れたりするものもあるらしい。こういった儀式を取り入れるとよいと思う。

これらがちょっと敷居が高い、というのであれば、あらためて自国日本におけるイニシエーション儀式を参考にするのもよいだろう。「トイレで隠れてタバコを吸う」「文化祭の打ち上げで居酒屋に行って先生に見つかる」「盗んだバイクで走り出す」「新入生入学コンパで一気飲みさせられて救急車で運ばれる」「髪を黒にもどしてネクタイを締める」「グラスが空になったらつかさずビールをつぐ」などだろうか。

なんとなくぼくがプロ野球ファンになれない理由が分かってきました。


(総裁談)








2003/10/29  

先日打ち合わせをした相手は、「この種のプロジェクトでは意志決定のスピードが大事ですよ」ということを様々な慣用表現を駆使して繰り返していた。曰く

「一にスピード、二にスピード、三、四がなくて五にスピードですよ」
「一も二もなく、スピードですよ」

結果、一から四まではなんにもなくて、五番目にスピード、という結果になってしまった。

ほんとにスピードが大事なのか。

(総裁談)






2003/10/28  

田中真紀子氏が父田中角栄の墓前で出馬報告をしたとか。

田中真紀子氏は出馬にあたって「天命を感じた」と言ったりとか、角栄の娘であることを遺憾なくアピールしている。

「親の七光り」と言ってしまえば身も蓋もないが、しかしそれもまだ角栄をリアルタイムで経験している世代であれば有効なことで、ぼくのように角栄を知らない世代にはピンとこない。角栄と聞いて唯一思い起こされるのは「まー、そのー」っていう物真似ぐらいのものだ。

偉大だったらしいとは聞いているが、リアルタイムでは知らない。知っているのは物真似のみ。という点で、こぶ平が「ドーモ、スイマセン」という自分の父親の物真似をすることと、真紀子氏の出馬とは一体何が違うのか。

真紀子氏が出馬表明の席上「マー、そのー」って言ったら投票してやってもよいと思う(*1)


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*1
でもこぶ平が出馬しても投票はしないと思う。

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(総裁談)




2003/10/26  

CDはどんどん進化しているようだ。音質が良くなったとか、容量が増えるとか、コピーできないようにするとか。

でも簡単なはずなのに、ちっとも進化しないのが、ケースに入っているライナーノートがうまく取り出せない点だ。あれを改良するのはそんなに難しいのか。コピーコントロールとか難しそうなことが実現されているのにあんな紙切れをスムーズに取り出せないままにしておくとは、もはや何かの作為が感じられる。

コピーコントロールCDにはバックアップのために一回だけコピーできるとか、追加の料金を払えばコピーできるとか、色々考えられている。たぶん近々「コピーできない代わりにライナーノートがスムーズに取り出せる」という技術が開発されるのではないだろうか。

(総裁談)




2003/10/24  

会社で健康診断があった。先輩はバリウムを飲んでいた。35歳になると飲まなければならないしきたりだ。「健康診断なのに、これ飲むだけで具合悪くなっちゃうよ」と言っていた。

このバリウム、検査終了後は下剤を飲むことで速やかに体内から排出するわけだが、うまく排出できないと、下手すると腸で固まっちゃって、手術の必要な場合もあるそうだ。

健康を確かめるつもりが、それが原因で不健康に。

この自家撞着は「自然の叡智」をテーマに掲げて森を切り開く愛知万博のようだ。

今後、愛知万博のことを「バリウム万博」と呼びたいと思う。「バリ万」とか。

(総裁談)






2003/10/22  

会社を定年退職した偉い人が、そのあと関係会社の重役ポストについていたりすることがある。いわゆる天下りというやつだ。

やっかいなのはそういう人はしばしば元の職場にあらわれることだ。「おー、どうだー、元気に稼いどるかー、ダッハッハッ」とか言って。ひまなもんだから。こっちは色々やることあるんだからわざわざ来んな。

似たようなことは大学の研究室でも見かける。卒業した先輩のなかにしばしば研究室に顔を出すやつがいるものだ。たいてい話すことは「学生はいいよなー、社会人になるといそがしくってさー」とか。忙しい人はこんなところに来ないと思います。こっちは色々やることあるんだからわざわざ来んな。

会社にしろ学校にしろ「もう現役退いたのに顔を出すやつ」はなんだか大したことない人が多い。

だとすると、幽霊を恐れることはない。暗い道ばたとかで見かけたら一言「ひまなんですか」と冷たく言い放ってやればいいと思う。こっちは色々やることあるんだからわざわざ来んな。

(総裁談)



2003/10/21  

ぼくは秋の花粉症で、この時期鼻炎用カプセルが手放せない。

先日も鼻はぐずぐず、目も真っ赤に炎症を起こした涙目でいたところ「なんで泣いてるの?」と聞かれた。いや、鼻炎なんですよ、と答えると「なーんだ」と。

どうなのだろうか。悲しくて流す涙には確かに価値があるかもしれないが、鼻炎の涙だってたいへんなのだぞ。

以前、テレビの番組で「ウミガメは産卵の時涙を流すと言われていますが、あれは別に苦しいとかではなくて、ただの生理現象です」という解説を聞いた出演者が「なーんだ」と言ったときのことを思いだした。母親の産みの苦しみが涙を流させる、という人間側の勝手に美化した物語が、実は事実と違ったからって「なーんだ」とはなんですか。

つまり、ぼくにとってウミガメの産卵と鼻炎は一緒、ってことです。

(総裁談)




2003/10/19  

「あ、覚えてる?ここ来たことあるよねえ」
「ぜんぜん覚えてない」
「えー、忘れちゃったの?ほら、このボート乗り場のところで…」

恋人とのスイートなやりとりではない。相棒である長野と今日、団地を巡ったときの会話だ。

団地めぐりを始めて6年あまり。正直、彼とこんなに思い出をはぐくんでしまうことになろうとは思わなかった。6年間重ねた週末ごとの逢瀬。しかも毎回ちょっとした小旅行の趣だ。今までおつきあいしたどの女性よりも週末の思い出が多い。この文章を読んで相棒は気持ち悪がるとおもうが、ぼくも気持ち悪いので我慢してもらいたい。

それでも倦怠期など訪れる気配がみじんもないのは、やはり団地がもつ圧倒的な魅力のなせる技だと思う。

長年のつきあいで初めての頃のドキドキを忘れてしまった恋人達に、ぜひ団地めぐりを勧めたい。何らかの形で必ずや決着をつけてくれることだろう。

(総裁談)






2003/10/17  

テレビでは料理の素材の良さをほめるときに、よく「甘みがある」という表現を使う。

とくにもともと甘くないものに対して使うとほめ言葉として効果的なようだ。韓国産の高価なトウガラシをちょっとかじって「辛いだけでなく甘みがありますね!」とかいまだに塩田で作った天然の塩をひとなめして「うわー!甘みがありますよ!」とか。

だったら砂糖食え。

(総裁談)




2003/10/16  

チャリティのためにSPEEDが復活した。

「チャリティ」の免罪符っぷりをあらためて見せつけられた感がする。どんなに疑問がある復活も「チャリティですから」の名の下に許されるのではないだろうか。

出馬表明が波紋を呼んでいる田中真紀子氏もとりあえず「チャリティです」って、あのダミ声で言っておけばよかったと思う。

ていうかSPEEDが協力するチャリティのスローガン「Save the Children」のChildrenってHITOEちゃんのことでは。

(総裁談)




2003/10/15  

団地更新しましたよ→

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東海道新幹線のダイヤが大幅改正となった。新幹線品川駅が開業し、「のぞみ」の本数が大幅に増えた。テレビCMやポスターで、この改正の広告をよく見かける。曰く「のぞみは、かなう」。

また大きく出たもんだな、と感じる方も多いだろう。断定である。どんな望みかよく聞きもしないで二つ返事である。海外旅行の現地で「ダイジョブネー。ダイジョブネー」と怪しげな日本語で言われている感じが否めない。

思えば歌の歌詞ではこの、根拠なき「君の夢きっとかなうさ」系のものが多い。その最右翼とも言えるのが、吉田美和(37)が率いる「DREAMS COME TRUE」だろう。英語でマイルドにしてるとはいえユニット名自体が「のぞみは、かなう」である。

今話題のマニフェストが、「安心して暮らせる社会の実現」とか「ゆとりある生活を約束」といった「君の夢きっとかなうさ」系概念目標ではなく、具体的に検証可能な「公務員を○○人削減」といったような数値目標を公約として掲げることであるとすれば、そろそろ吉田氏もユニット名にそういった要素を盛り込むべきではないだろうか。

「ドリカム」や「DCT」などとうやむやにする方向ではなく「覚醒剤、ダメ、絶対」といった明確なマニフェストを打ち出さなかったことが元キーボード奏者、西川隆宏さんの悲劇を生んだのではないかと思う。

(総裁談)




2003/10/13  

団地更新しました→

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昨日も書いたが、妹がアメリカに行った。空港への道すがらの会話で覚えているのが

「木村佳乃ってなんとなくドラマとかで『そ、そ、そんなことないですよう!』とかいつも言ってない?」
「あと観月ありさはいつも『そんなのおかしいと思います!』って言ってる気がする」

という会話。
向こう半年近く妹とは会うことができないというのに覚えているのが、この会話。

これが兄妹の最後の会話、とならないように事故などに充分気を付けて無事に帰ってきて欲しいと心から思う。

(総裁談)




2003/10/12  

日本にもアメリカのようなベンチャーの風土とそれを支える制度を確立する必要がある、と主張しているアナリストがいた。

ところで、妹がアメリカに旅立った。英語の勉強が主な目的で、半年ぐらい向こうに滞在する予定だ。

よく言われることだが「英語がしゃべれるようになる」というのは単に言葉の問題ではなく、英語文化の一端を身につけることだと思う。

ぼくが思うアメリカの文化。代表的なものの一つは「プロム」だ(*1)。よく寿司とか蕎麦とかを食べて「日本人でよかった」という人がいるが、ぼくはアメリカの映画やドラマでプロムの情景が描かれる度に「日本人でよかった」と思う。日本の高校でもなじみにくかったぼくにプロムなんて絶対無理。ひねくれて引きこもりになっていたと思う。

しかし、もしかしたら、この引きこもりパワーこそがビルゲイツを生んだのかもしれない。

ベンチャーの風土とそれを支える制度。その秘密は「プロム」だったか。


日本にベンチャー風土はいらないと思います。


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*1
あと、ブリトニー・スピアーズを可愛いと思えるかどうかもアメリカナイズの試金石だと思う。

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(総裁談)




2003/10/11  

根拠などまるでないにもかかわらず、さもそういう事実があるかのように主張する言い回しがある。

子どもの頃は、それは「みんな言ってるよ」だった。よくよく調べてみると「みんな」っていうのは、そう言ったその当人だけのことだったりして。「○○くんはずるい、ってみんな言ってるよ」とか。それはおまえがそう思ってるだけだろう。

これが大人になるとバリエーションが増える。
「一部では〜と囁かれている」
「ある消息筋によると」
「ある関係者/事情通は語った」
などだ。それはおまえがそう思ってるだけだろう。

また、子どもの頃には「お父さんが言ってた」という言い回しもあった。「UFOはいるってお父さんが言ってた」とか。

これの大人版は「〜って日経新聞に載ってた」だと思う(*1)


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*1
「〜って2ちゃんに書き込まれてた」も。

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(総裁談)




2003/10/10  

幸福度の国際比較調査というものが行われたそうだ。

世界65カ国で「自分は幸せだと思うか」と質問して調査したというもので、結果、幸せ大国第一位はナイジェリアだったそうだ。

日本も調査対象に入っていたようだが、一体どこで質問したのだろうか。もしや新宿駅前とかで「あなたは幸せですか?」とか聞いてまわっていないだろうな。

先進諸国は所得水準が高いものの、幸福度は向上していないという結果も出ており、この原因を「平均所得が高くなるのに伴って、物欲が増大し、幸福感を抑える要因になっている」と分析しているが、単に先進国には似たような質問をする怪しげな新興宗教がいるので適当に答えられた、というだけの話ではないだろうか。

(総裁談)




2003/10/09  

プロジェクトに途中から参加し、事情もよく分からずに、まとまりかけた内容をめちゃくちゃにする発言をする偉い人がいる。

でも偉い人なのでだれも何も言えない。議論はまた振り出しに。こんなことがよくある。

誰もが感じているはずなのに、誰も正面切ってつっこめない。当たり障りなく持ち上げて、何とかその場を取り繕うとする。なんかに似てると思って気がついたのが叶姉妹だ。正味の話、あなたは何者なんですか。

「大組織の構造的な病理の根絶」とか、「権威主義的なものを打ち壊す新しい風が必要」とか会社では言われているが、叶姉妹がテレビに普通に出演している限り、それは無理なんじゃないかと思う。

くだんのお偉いさんは、いわばおっぱいが大きくない叶姉妹といったところだ。

おっぱいが大きくない叶姉妹。こんなたちの悪いものが世の中にあるだろうか。

(総裁談)




2003/10/08  

大塚家具の中吊り広告を見た。

曰く「デキる男は眠りに投資する」。ベッドのキャンペーンのようだ。写真にはブロンド美男美女の西洋人がダブルベッドで心地よさそうに眠りについている様子があった。

「デキる男」が本当に眠りに投資するものなのかという疑問より先に、デキる男はダブルベッドでブロンド美女を後ろから抱いておきながら、いかにも平和にすやすや眠ったままでは済まないのではないかと思う。

(総裁談)




2003/10/06  

梨狩りの季節だ。

よく話題にのぼる疑問だと思うが、なぜ梨は「狩り」なのだろうか。他に狩るものとしては葡萄もあるが、どちらも本来の「狩り」にはほど遠いと思う。

最終的に頼れるのは自分の腕だけ。生きるか死ぬかの真剣勝負。そういうのが「狩り」なのではないだろうか。やったことないから知らないけど。

週末に家族や恋人と出かけて和気あいあいと、なんの危険もなく一方的に梨をとっていく。狩り界の人々は、そんなものを「狩り」と呼ばせたままにしていてよいのだろうか。

ここらへんの危機意識の薄さが「オヤジ狩り」を生んでしまったのだと思う。

あれは「オヤジもぎ」にするとよい。

(総裁談)




2003/10/03  

街を歩いていると、ふとどこからか金木犀の香りがする季節になった。住宅の庭先でも比較的よく見かける木で、都会では数少ない、季節を感じることができる香りだと思う。

しかし聞けばこの金木犀、中国原産で日本には雄株しか渡ってきていないそうだ。

一生懸命よい香りをさせたところでまわりは同じ雄株ばかり。


色気づいて香水をぷんぷんさせている男子校の高校生みたいだ。


(総裁談)




2003/10/02  

駅の表示で見かける「こんど」と「つぎ」という表示。あれがどっちが先でどっちが後なのか分からなくなる。

仕事上の経験から言うと「こんど」も「つぎ」も「結局来ない」という意味で一緒だ。すでに、どっちが先、という問題ではない。特に納期が遅れている場合はその傾向が強い。こうなると「今」もあてにならなくなる。今送ります、とか。

そういう意味で考えると、電車が遅れている際によくあるアナウンス「今、隣の駅を出発しました」もかなりあてにならないと思う。

(総裁談)




2003年9月のカモだより