2003/07/31  

「先輩」が「センパイ」とカタカナで表記されているのを見ることがある。主に学園恋愛モノの漫画で女の子があこがれの先輩に呼びかけるときに使われる。「センパイ!これ受け取ってください!」とか。たぶん。

カタカナ表記に甘酸っぱさを醸し出す効果があるのだろうか。

しかし同じ学園恋愛モノでしばしば甘酸っぱさの対象になる「先生」のほうは「センセイ」と表記すると、とたんに代議士になっちゃうので注意が必要だ。

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大団地展、おかげさまで盛況です。土曜日5時頃からトークをやる予定です。トーク。団地トーク(漢字トークみたい)。ぜひお越しください。
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(総裁談)




2003/07/30  

「大団地展」初日。展覧会と銘打っているが、これがほんとに展覧会の正しい姿なのか自信がない。

火曜サスペンス劇場とか土曜ワイド劇場でよく、「そりゃちがうだろう」と思わざるを得ないスカスカナ感じのファッションショーの場面がでてくるが、あれと同じようなことをやっちゃってるんじゃないかととても心配です。

自分が船越栄一郎とかになった気分。

(総裁談)




2003/07/29  

いよいよ明日、というか今日から「大団地展」なわけですが。

現在3:40AM現在、ギャラリーにいて、まだ展示準備が終わっていません。この時間にもなって団地の写真と模型を前に作業をしていると、いやがおうでも「僕たちはいったい何をやっているのだろうか」と内省的な気分になります。だって団地だよ。団地。

特に写真を壁に固定する作業をしている最中、Nと何かの拍子で手が触れ合ったりするととてもナーバスな気持ちになります。

えー、そろそろ作業に戻ります。首都圏の皆さん、青山でお待ちしております。あと、たぶん土曜日あたりにちょっとしたトークでもやろうかと思っています。未定です。約束はできません。すいません。

それでは。

(総裁談)



2003/07/28  

元LUNA SEAのJ(ジェイ)さんのインタビュー記事を読んだ。なんでもニューアルバム「GO with the Devil」が発売になったばかりとか。GO with the Devil。

すごくかっこいいのでインタビュー記事の内容をいくつか紹介しようと思う。

「うん、今回はおもちゃ箱をひっくり返したみたいに楽しめるアルバム作品にしたくてさ」
「ロックっていう音楽が本来持っている熱やヒリヒリするような感覚を追い続けていきたいと思っているから」
「聴いた人が「やべぇ…」って思うような雰囲気。それが大切かな(笑)」
「でも自分としては普通にアイディアをストレートにぶつけてるつもりなんだよねそれが、どうも「前代未聞」になっちゃってるらしい…」

かっちょいい。さすがロック。2003年だよね?今年。すごいなあJさん。GO with the Devil。

あさってからの「大団地展」にはいくつかの雑誌のライター方々が取材にくることになっている。ここはひとつJさんにならってみよう。GO with the Devil。

「うん、今回はおもちゃ箱をひっくり返したみたいに楽しめる団地作品にしたくてさ」
「団地っていう建築が本来持っている熱やヒリヒリするような感覚を追い続けていきたいと思っているから」
「見た人が「やべぇ…」って思うような雰囲気。それが大切かな(笑)」
「でも自分としては普通にアイディアをストレートにぶつけてるつもりなんだよねそれが、どうも「前代未聞」になっちゃってるらしい…」

団地展はたぶんどうやっても、とくに大切にしなくても見た人は「やべぇ…」ってなっちゃうので、言わない方が良さそうだと思った。GO with the Devil。

(総裁談)




2003/07/27  

電車の中で大学生とおぼしきが、一緒にいる友人に「blog知らないの?おまえ、やばいよ、それ」と言っていた。やばいのか、blog知らないと。

ところで日本人の食卓に欠かせない、ごはん。本来、主食としておかずと共に食されるごはんだが、この一種不自由な立場を一変させるのが「ふりかけ」だ。おかずなどなくとも、とにかくご飯をほおばりたい。そこにあるのはすでに「主食」などというものではない純粋なる食の欲望の対象であると思う。

そんな日本人の食の欲望をおもうがままに発動させる免罪符としてのふりかけには、当然それなりのクオリティが求められるだろう。味はもちろんのことカルシウム入りなど機能性を強化したりと、丸美屋を中心としてふりかけにかけられる情熱には目を見張るものがある。

そんなふりかけ事情のなか、議論を呼ぶのがキャラクターふりかけだ。「ポケモンふりかけ」や「ドラえもんふりかけ」などを思い出すことと思う。ほかにも古くには「ウルトラマンふりかけ」や「エイトマンふりかけ」「ルパン三世ふりかけ」なども存在した。

少々手当たり次第の感は否めないが、上記のラインナップを見れば、時代を飾った人気キャラクターだからこそふりかけに冠されるようになる資格があることが分かると思う。多少人気がでたからって、ぽっとでのアザラシ風情をとりあげて「たまちゃんふりかけ」が発売というわけにはいかないのだ(*1)

「知らないとやばい」という言葉には知識を持つものからの一方的な価値の押しつけがある。今後は「知らないとやばい」かどうかは、ふりかけになったかどうかで測ればよいと思う。「blogふりかけ」。blogもまだまだだな。


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*1
いや、発売されそうで怖いな。

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(総裁談)




2003/07/26  

帰りの終電で。

ぼくの前に立っていた、ぼくと同じ年ぐらいの男性が、いわゆる出会い系サイトのメール募集の女性達に自己紹介のメールを送りまくっていた。名前は「よっちゃん」。27歳エンジニア。まじめな性格だそうです。

ちょっと頭頂部の髪が心もとない感じで小太りで微妙に丈の中途半端なパンツを履いて首のホクロから毛が生えていましたが、そういう些細な身体的特徴はどうでもいいでしょう。というのは、このよっちゃん、自己紹介文を5種類用意して、相手のプロフィールから判断してそのなかから最適と思われるプロフィールをコピー・ペーストして送るというマメな技を見せていました。

生来無精を絵に描いたようなわたくし、「メル友」には縁がないと薄々気がついてはいましたが、彼を見てあきらめがつきました。このマメさ、敵いません。

きっかけが何であろうと、本当に頼りになる男とはこういう人だと思います。今夜1時ごろ「よっちゃん」を名乗る男性からメールが来た女性は、かれをがっちりつかんでおくのがよいと思います。ちょっと頭頂部の髪が心もとない感じで小太りで微妙に丈の中途半端なパンツを履いて首のホクロから毛が生えていましたが。

(総裁談)




2003/07/25  

大団地展の会場に端末を置くことを検討していたら、落下防止対策などをしたほうが良いのではという話になった。

家電量販店などではしっかりと紐で固定されている。あれはどこに結ばれているのだろうか?結局、USB接続でどうだとか、いやあれは抜け易いなど議論の末、SCSIが形的にもしっかりしていて安心できると結論がでた。

心配なのはオスとメスで結ばれている点だ。オスとオスの男の友情で結ばれる方が一般的に強いのだろうか。そもそも男の友情ってなんだという話もある。

(長野談)



2003/07/23  

「男の隠れ家」という言葉がある。そういう名前の雑誌もあるようだ。「男の隠れ家的バー」とかいうふれこみで紹介される店もあって、男の隠れ家市場は活況のようだ。しらんけど。

たぶんこれは、分類としては「男のロマン」に位置づけられるものだろう。この分類のなかには「ルアーづくり」とか「ボトルシップ」とか「スポーツカー」とかが含まれている。勝手にぼくが位置づけているだけですが。

ぼくはこの「男のロマン」がからきし苦手なタイプで、たぶんこれからも縁がないと思う。どっちかっていうと女のロマンの方に惹かれるのだが、あいにくそういうロマンは聞いたことがない。ロマンポルノぐらいか。いや、あれも女のロマンじゃないな。

先日とある本屋で大学の時の知り合いを見かけた。ぱりっとスーツを着た出で立ち凛々しい彼。そして立ち読みしている雑誌は「男の隠れ家」だった。

ああ、彼も一人前の男になったのだなあ、と感慨深く思ったが、彼はキャンパスではいつも迷彩柄のジャケットを着ていたことを思い出した。

迷彩服から隠れ家。もしかしたらほんとに隠れたいだけなのかも知れない。

(総裁談)




2003/07/21  

よく指摘されることだが、オシャレなひとがやっているサイトにはいくつかの特徴がある。フォントサイズが小さいとか、「menu」を「メニウ」と表記していたりとか。

これらに付け加えてメールアドレスが「ystk@xxx.ne.jp」のように名前の子音だけを並べたアカウント、という特徴もあると思う。

「ystk」をgoogleで検索したら409件もヒットしたし、実際、知り合いに「ystk」をアカウントとして使用しているオシャレさんが二人いる。ひとりは「康隆」でもうひとりは「嘉孝」だ。

と思ったら「嘉孝」君のほうは「ystc」だった。

「k」でなくて「c」。よりオシャレ度は高まったが、同時に「嘉孝」でなくて「イエス!高須クリニック!」の略なのではないかという疑惑も同時に浮上した。


(総裁談)

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わたしが尊敬してやまない、前川やくさんのsledge hammer webでとうとう発表された「ケツダイラ2003夏」の結果発表。わたくしどもが僭越ながら特別審査員をさせていただきました。楽しかったです。

なお、やくさんも「大団地展」にお越しくださるとのこと。団地写真はいまいちだったけど、やくさんが見られて満足でしょ、というお茶の濁し方に期待してください。


2003/07/20  

先日見たテレビドラマととあるマンガの両方で、登場人物がニューヨークに旅立つシーンがあった。曰く「本当の自分を見つけるために」。

同じような筋立ては今までにも多く目にしてきた。どうして人は何かっていうとニューヨークに旅立っちゃうのだろうか。自分探しに。

思えばコロンブスもメイフラワー号に乗ったアイルランド人たちも、自分探しの旅の末アメリカ大陸に行き着いたようなものだ。それ以来、21世紀の今日でも自分探しをする人たちが続々と集まってくる国アメリカ。アメリカにはそういう吸引力があるのだと思う。

ようするに国中の人が、男は吉田栄作、女は野沢直子ってことだ。

(総裁談)




2003/07/19  

JR東日本によると、今年3月までの1年間に、東京周辺の駅や電車内で駅員らが乗客から受けた暴力事件は計146件に上ったそうだ。

繁忙感だけが増していく先の見えない不況下の労働者達が、ぎゅうぎゅうに詰め込まれた通勤電車。フラストレーションも飽和状態。この一触即発の状態ではちょっとしたことが駅員や乗客同士の暴力沙汰につながるのだと思う。

ところでそろそろ夏休みが近づいてきているわけですが、ぼくの職場のみなさんは皆忙しく「夏休み今年もとれそうにないなあ」というあきらめの声も聞かれる。

そんな折り、電車内で見た光文社の女性ティーン誌「JJ bis」の中吊り広告。9月号は「海でかわいいリップグロス」「夏のメインイベントには爪の先まで完璧コーディネート」「夏休みのお出かけコーディネートは簡単ヘアアレンジで完成」などなど夏に向けて浮き足立つティーンへのファッション指南が満載だ。内容はともかくとして、この特集の名称は問題だと思う。曰く

「特集●夏休み・今日も予定がいっぱいです」

JRは駅や電車内での暴力事件防止のために光文社に広告の差し止めを求めるべきだと思う。

(総裁談)



2003/07/17  

電車の中でぼくと同じぐらいの年齢のサラリーマン二人が会社の先輩の悪口を言っていた。曰く「結局あの人はバブル期入社だからなー」

バブル期入社。彼らがやり玉に挙げている先輩が実際にそう揶揄されるような人かはさだかではないが、世の中にはまだまだバブルを忘れられない人が多いとは聞く。

思うに「バブル」という言葉がよくないのだと思う。もっと反省を促すようなネーミングが必要なのではないか。たのむ、そのころのことは忘れさせてくれ、というような。

そこでぼくが提案したいのは同時期に人気だった「バブルガムブラザーズ」だ。長いとお思いなら、なんなら「B.G.B.」でもいい。とにかく誰もが、あんなものが人気だった当時を忘れたいはずだ。言うに事欠いて、ブラザー・コーンとか名乗ってた。むずがゆい。

それをふまえて考えると彼らのヒット曲「WON'T BE LONG」のタイトルも意味深い。WON'T BE LONGか。その通りだったねえ。

(総裁談)




2003/07/16  

日本スイムスーツ協会は「サマーバレンタイン」(仮称)を、伊勢丹新宿店とともに仕掛けようとしている。

水着が最も売れる「海の日(7月21日)までの1週間」を盛り上げるために「チョコとは逆に、男性から女性に水着を贈ろう」と呼びかけて、バレンタインデーのように、水着をプレゼントする習慣づくりを狙うという。

気持ちはわかるがバレンタインデーのチョコレートの需要は義理チョコによるところが大きいと思う。むろん、水着も義理需要を期待しているのだと思う。会社で渡される義理水着。かなりの勇気が必要になり、男が試されることになりそうだ。もらった側も気味が悪くて大変だ。その後の感想とかも切り出しずらい。

そもそも「チョコとは逆に」というけれど、ホワイトデーでケリがついてないということなんだろうか?そう考えるとだた同じ部署というだけでプレゼントされる水着にはある種の決意が感じられる。

(長野談)
 
 

2003/07/15  

Windowsにまたもやセキュリティホールが見つかったそうだ。

悪意あるコードが仕込まれたwebサイトを閲覧した場合など、この脆弱性を悪用され、ログインしているユーザーの権限でシステム上の任意のコードを実行されるおそれがあるのだとか。

深刻そうだということは分かるが、パソコンに詳しくない人には「ユーザーの権限でシステム上の任意のコードを実行」とか意味が分からないと思う。

だいたい「脆弱」という言葉も耳慣れない。小学生の時耳にしたことがあって以来だ。

いや、正直に言うと、根気のないぼくを指して性格の悪い教師が「脆弱だ」と表現したことがあるのだ。

いまだったら『今回指摘のぼくの脆弱性は、SMBパケットのパラメータの処理に問題が存在し、同じくバッファオーバーフローが起こる可能性がある(MS03-024)というもの。特定の細工を施したSMBリクエストパケットを送り込むことで、ぼくは異常終了に追い込まれたり、メモリ内のデータが破損したり、最悪の場合は攻撃者が選んだコードを実行されてしまうおそれがある』とでも言ってかわせるのだが。

あるいは「セキュリティホールですから」とでも言えばよいか。

(総裁談)






2003/07/14  

「高橋がなり」とだけ書いたメモが自宅の机にあった。

以前、高橋がなりの名前は単に本名の読み方を変えただけでなくソフト・オン・デマンドの社長でもある彼なりの秘め事がこの名に隠されているかもしれないと思ったからだ。

すでに興味がなくなってメモの存在すら忘れていたのに、メモを見つけた母から高橋がなりが誰なのかとか、何の人なのかなど何度も聞かれるはめになった。

がなり自身、自己紹介のときやっかいな職業だと思ったかは知らないが、こんな草の根で問題が起きてることは知らないと思う。
でも知ったら知ったで「肝っ玉が小さいんだよ」と稲川淳二ばりの濁った声で説法されそうで怖い。

(長野談)
 
 
 

2003/07/13  

ライオンの洗剤「ブルーダイヤ」のCMが流れている。

CMの後半、氷川きよしの歌声がアップテンポになり「金、銀、パールプレゼント」と歌われる。消費者に締め切りを迫るかのような急ぎ足の紹介だ。

金、銀ときたら銅と安易な連想をしてしまいがちだ。これはオリンピックの弊害かもしれない。また、将棋をやる人なら金、銀、飛車、角なのかもしれない。

なのにパール。この場合いい意味でパールに裏切られた感じだ。金銀の後の3番目の席がブラックボックスであることを示唆したととらえるなら、もちろんストレートにブルーダイヤをプレゼントしてもいいはず。代入されていない所はライオンの冷静さなんだと思う。

実際ブルーダイヤの天然ものは稀少価値が高いらしい。また一定の濃さ以上の色があると「ファンシー」の称号が与えられ「ファンシーブルーダイヤモンド」と呼ばれるそうだ。

稀少価値や濃度に関わらず、実家の居間にあるものにファンシーの称号を与えている自分だが、大きな将棋の駒や熊の木彫りの出所もプレゼント当選の可能性がないとはいえない。金銀の後に「実家の居間にあるもの」が一般解のような気がする。

(長野談)



2003/07/11  

男と女の間には越えるに越えられぬ、深くて暗い流れがある。

突然なにを言い出すかとお思いかもしれないが、われわれ男性陣が知る由もない、そして女性達も話したがらない話題というのが世の中にはあることを先日知ったのだ。

それは、女性トイレではトイレットペーパーを、手を洗ったあとの拭くものとして利用する文化があるという衝撃の事実だ。ぼくの知る限りこういう習慣は男性用のトイレでは見られない。

どうして女子トイレの部外者であるぼくがこれを知ったかというと。あるオフィスビルで女子トイレの入り口の扉に「資源節約のためトイレットペーパーで手を拭くのはやめてください」と張り紙がしてあるのを見かけ、後日あれはなんのことかと友人の女性に聞いたところ、女子トイレにはしばしばそういう文化があると、彼女がこともなげに答えたのだ。びっくり。

「男性が知ることのできない、女性だけの秘密」と言えば、小学5年生か6年生のころ、ある日突然女の子だけが視聴覚室に集められ、なにやら秘密の映像を見ていた、というあれを思い出す。男の子はその間ドッジボールでもして遊んでなさい、とかフォローが不十分であったので、子供心にすごく何か不自然な感じがしたのを覚えている。

しかし、これは思春期の飽く事なき知識欲のせいでその後間もなく、なんのことか詳しく知るようになったので、ぼくにとっては上記のトイレットペーパーアレンジ活用文化にくらべれば、流れの深さはさほどでもなかった。

あとぼくがあれには何かあるのではないか、とにらんでいるのが全国の中学や高校で行われている、女の子だけの謎の体育の授業、すなわち「創作ダンス」だ。

ダンスを創作することが必修授業。不自然だ。あれには何かあると思わざるを得ない。

(総裁談)




2003/07/10  

初めて小数点のかけ算を習ったとき、1より小さい正の数はかければかけるほど小さくなっていくのが何となく納得できなかった。たとえば0.5かける0.3は0.15だ。たぶん「かけ算」は「大きくなる」というイメージがあったのだと思う。

ところで、チョーヤの梅酒のテレビCMで伊東美咲さんが一人二役をこなしている。どうやら妹と姉という設定らしい。梅酒のCMをあげつらうのもおとなげないが、これがなんともしょぼい仕上がりだ。これにはストーリーのしょぼさもさることながら、「一人二役」という演出がしょぼさ増幅に一役買っているのではないかと思う。

一昔前なら一人二役の合成にも驚きと目新しさがあったと思うが、マトリックスもリローデッドというこの時代に一人二役をここぞとばかりに見せることに何か意味があるのだろうか。あるのだとすれば、それは人気タレントが一画面に2人も、という単純な増量のおトク感だけだと思う。

前述のチョーヤの梅酒の伊東美咲さん以外でぱっと思いつく一人二役といえば、ハムのCMの田中美佐子さんとカレーのCMの西田ひかるさん、といったラインナップだ。

トウの立った取り立てて特徴のない女優と誕生会開催だけが話題の元アイドル。増量しても残念ながらここには、おトク感は、ない。しょぼさばかりが際だってくるのは、いわば小数点のかけ算だからではないだろうか(*1)


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*1
そして、伊東美咲さん。CM自体はしょぼいながらも一人二役で、減りもせずおトク感も特にないといったところからすると、彼女は「1」なのだと思う。

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(総裁談)




2003/07/09  

文字盤を手の平側にして腕時計をはめている女性がいる。
わざわざ見にくくしている所がフォーマルな感じなので時計の「オトナはめ」と呼びたい。

なぜ時計を「オトナはめ」するのかは分からない。
スカートのように単に歩いていたら回ってしまった説も考えられるが、少なくとも若い人に見られず、年配の人によく見られる作法なので、女性には腕時計のはめ方の転機があるのかもしれない。

と思っていたら今日電車の中で、時計を「オトナはめ」しているおじさんを見かけた。おじさんの不意打ちにより性を越えた問題である気がした。
おそらく肩こりが治るとかの民間療法じゃないかと思う。

(長野談)
 
 

2003/07/08  




七夕だったということで、デパートのイベントではあるが笹に付けられた街の人々の願い事を観察してみた。

「大きくなれますか?なります」
「金持ち」
「ゲームキューブ」
「みんなで仲良くいるよ」
「事故にあわない」
「半年おめでとう。これからもラブラブでいこう」
「今日は同棲記念日。これからもずっと一緒」
「目標達成」
「寂しくなったらいつでも帰っておいで!」
「ステキな出会いが…」

一体どうしたことか。願い事というのは「〜しますように」と表現されるものではなかったのか。いつから七夕は決意表明の場になってしまったのか。

しかし、考えてみたら、七夕とは誰にお願いするのだろうか。頼み込む対象がはなはだ不明確だ。織姫と彦星は年に一度の逢瀬で他にやることがあるので人の願い事とか聞いてる場合ではないと思われるし。

そういう意味では、誰にも頼らず自らの夢は自らで達成させる、そんな気概こそが正しい七夕の祈願のあり方なのかもしれない。最後の「ステキな出会いが…」はどっちにしろ間違ってるけど。詩的に余韻を残してどうする。

そんななか「〜しますように」という通常のお願い型も見受けられた。

「製造部が隣に来ませんように」
「週2日休めますように」
「夏期休暇が全部とれますように」
「転勤しても楽しく笑顔で過ごせますように」

やはり経営環境・職場環境はもはや自らの決意表明ではどうにもならないところまで来ているということか。

七夕にかいま見える、日本の労働環境の現状。次回は絵馬に見る日本の労働環境をお届けします。

(総裁談)




2003/07/07  

野生のシマウマやゾウは樹木などに寄りかかって立ったまま眠るらしい。それが動物園だと横たわって眠るようになるとか。

ところで昨日の「カモだより」で「自然体」に関して書いたが、ぼくの「自然体」解釈はなにか大きく間違っているとのご指摘をいただいた。

今思えばそうだったかもしれないと思う。電車内のあれは「自然体」ではない。正確に言うなら「野生化」だ。野生回帰。布団という檻でぬくぬくと横になって眠るのではなく、吊革にたよって立ったまま眠るようになる。都市化で人間から「野生」が失われているという意見もあるが、かように、それはむしろ逆だと思う。

草食動物は植物だけを食べ、肉食動物は肉だけを食べる。それでも必要な栄養素を自分で作り出して生きていける。同じように会社に泊まって一週間というエンジニアもピザとコーラだけで生きているし。

(総裁談)




2003/07/06  

先日「きみはいつも自然体だねえ」と言われた。喜んで良いのだろうか、どうなのか。皮肉のように聞こえなくもない。

そんなおり「自然体のつくり方」という本を目にした。ベストセラー『声に出して読みたい日本語』の著者が満を持して贈る著書であると言えば、どういった手合いの本だかおおかた想像がつくと思う。

この本によれば、「自然体」とは「リラックスしながらも覚醒しているような身心のあり方。身体の重心においても、心や精神の方向性においても、寄りかからないゆとりをもった構え」のことなのだという。

ぼくが「自然体」と言われて思い出すのは金曜日の終電車内の人々だ。ぼくが見るところ「へべれけ」と「自然体」は一緒だと思う。みな思い思いの身体のあり方を表現している。人間は「自然体」になっちゃうとこんなになっちゃうのか。人間における自然とはどう言った意味があるのか問いただしたくなる。誰に問いただすのかは知りませんが。

駅に着く度にハッとなり、駅名をあわてて確認するさまを見ると「リラックスしながらも覚醒しているような」という点に関しては上記の本の言うことはその通りかもしれないと思うが、「身体の重心」は寄りかかりっぱなしだ。この点に関しては著者に訂正を迫りたいと思う。

(総裁談)




2003/07/04  

一人時間差を生み出した森田淳悟氏のバレーボールの殿堂入りが決まった。

一人時間差。遅刻の言い訳にも聞こえなくない。明確に一人であることを宣言したこの技が個人技にあたるのか分からない。でも気持ちとしては攻撃相手すらいない個人技であってほしい。そこで寂しい個人技を検索してみた。

一人祭り 541件
一人合唱 29件
一人結婚式 33件
一人会議 202件

これらが技かどうかは別として結構一人でやっている。「一人」が「お一人様」になるとより孤立感が増すように思えるのでもう少し検索。

お一人様歓迎 117件
お一人様お断り 11件

歓迎されがちなお一人様。でも「お一人様ですか」と念を押されて案内されることであらためて一人であること確認しそうだ。

(長野談)



2003/07/04  

先日大阪に行ったときのこと。

飛び乗った環状線の車両が「女性専用車両」というやつだった。東京ではあまりなじみのないサービスなのでしばらく気がつかなかった。

突き刺さる視線を不思議に思いながらドアを見ると「女性専用車両」のステッカーが。

いたたまれない気持ちで車両をかえたのだが、思えば今までの人生でここまで「男扱い」されたことはなかった。ぼくはあまり男らしい方ではない。そんなぼくも、ああ、ぼくも男なんだ、と認識を新たに臨んだそのあとの会議では、われながらさぞかし今までにない男っぷりを発揮していたことと思う。たぶん。

いわば自分の中の男を目覚めさせる装置としての「女性専用車両」。さすが浪速の男はちがう、と思わせられる秘密はここにあったのかと思う。みなさんも自分の男性性に自信が持てなくなったときには環状線「女性専用車両」に足を運んでみてはいかがだろうか(*1)


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*1
ていうか、「女性専用車」は痴漢対策の意味合いが強いということだが、その車両内の中吊りが週刊ポストかなんかの広告で「撮りおろし!早熟ヌード!」だったのはいかがなものかと思う。あれよりはぼくの存在の方がましなのではないか。

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(総裁談)





2003/07/03  

t.A.T.u.のライブやテレビ出演やイベントのドタキャンが問題になっているらしい。

しかし、メディアが騒ぐ一方でライブをすっぽかされたファンからは「これこそt.A.T.u.。別に怒ってはいません」などの好意的な声も寄せられているとか。

ぼくもやむを得ずドタキャンをすることがあるが、一向に好意的な声は寄せられない。

ここは彼女たちを見習って水に濡れたTシャツを着用して乳首が透けて見える姿でプレゼンに臨んだりする必要があるのかもしれない。

とりあえず「s.O.S.a.i.」と名乗ってみることから始めようと思う。


(s.O.S.a.i.談)




2003/07/02  

七夕が近いので地下鉄の改札口に笹が用意されている。毎年、笹を設置する駅員の人も「俺何やってんだろう」という感じだと思う。

それでも今日も普通に短冊に願い事を書いている人がいた。これは多分露出プレイなんだと思う。胸の内に秘めた願いを人目にさらすことでなんかスッキリするのだろう。この季節、露出度がアップするのは衣服だけではないことに気が付いた。

また、紙に書いてスッキリするなら駅のクレームの処理として年中使えそうな気がした。笹もしまわなくていいし、願い事なのでちゃんと対処しなくてよさそうだし。

(長野談)



2003年6月のカモだより